幼い頃お世話になっていた、 『緒川病院』 山奥の小さな病院だ。 俺は自転車を脇に寄せ、 狭い駐車場に止まっている車の間を抜けた。 「すみません、林先生は今日いらっしゃいますか。」 受付で聞くと女の人はにこっと笑った。 「はい。こちらに名前を書いてお待ちください。」 俺はペンを走らせる。 久しぶりだな。 この匂い この温かみ 大きな窓から見える市内 俺は書き終えてから椅子に腰掛けた。