いや、あたしが言いたいのはそうゆう事ではなくて。
何て言うの?
ほら、そうそう!!!
「壱星だって、そろそろ彼女欲しくない?」
「彼女?」
「うん!」
そうなのだ。
あたしたち二人は、今まで彼氏がいた事も
彼女が出来た事もない。
理由は一目瞭然。
二人で居るから。
「別に、んなのめんどくせー。」
「出た、壱星のめんどくさい病。」
「何の病気だよ。」
こんなやりとりばかり。
わかっているんだ、これが原因だという事は。
家も隣で、学校も一緒で
あたしたちは、異性をお互いしか知らない。
壱星はどうだか知らないけど、あたしはそれなりに恋をして来た訳で。
それが実らなかったのは
きっと、壱星のせいだと思う。
もちろん、壱星に恋の予感が感じられないのも
きっとあたしのせいで。
全部が全部、壱星のせいって訳じゃないだろうけど
それも一理あると、あたしは断言出来る。
断っておくけど、あたしだって女の子だ。
彼氏の一人や二人…いや、一人くらい
欲しいんです。
ぶっちゃけて言うと、ね。
うん。

