【短】君が撮る秋空に、わたしの恋心が浮かんでる。


 見えたと思った後に、辺りの音を消すような爆音。


 白いスモークが空をキャンパスに描いた真っ直ぐな五本の線。


 あっという間に遠くにいなくなったブルーインパルス。
 次には急上昇してから急降下。物凄い技を見せてくれた。


 カシャカシャとシャッター音を聞きながら、わたしはずっと空を見上げる。
 今、大空くんを見たら恥ずかしくて赤くなるから。


 何度もブルーインパルスがスモークを出しながら素敵な演技をしてくれる。


 花のようなものを描いたり、星を描いたり、スレスレで交差する姿、こうやってじっくり見たのは久しぶりかもしれない。