【短】君が撮る秋空に、わたしの恋心が浮かんでる。


「遠距離なんて、わたし無理」



 正直に言うと大空くんが笑う。



「じゃあ、大丈夫だ」

「え、大丈夫じゃないって」



 大空くんがカメラを構える。またブルーインパルスがやってきた。



「来年から、大学こっちなんだ」



 びっくりするわたしをきつく抱いて、声を出すより先に唇を塞がれた。


 熱くて、優しくて、だけど力強くて。


 嬉しくて泣きそうになる。


 頑張って堪えていたら、シャッター音が耳に届いて目を見開いてしまった。



「ま、待ってよ!」

「記念の一枚」

「お願い、消して」

「それより空見てみなよ」

「え?」