「ねえ、美樹ちゃん」 「え?」 カメラを構えたまま大空くんが言う。 「俺、好きだよ」 「……なんの、話?」 「航空ショーなんて、去年くらいからただの口実だったんだよ」 大空くんは写真を撮るのをやめてわたしを見る。 逆光でよく見えないけれど、多分いつもの優しい笑顔。 「美樹ちゃんに会うために来てた」 「嘘、言わないで」 「言ってない」 大空くんがわたしを抱き寄せる。 彼の心臓の音が速くて、本気だって認識したらドキドキが止まらなくて、なぜかわたしは硬直してしまう。