お見合い相手はエリート同期


「実家。行かなきゃダメだ。
 顔を出すだけでも出そう。
 結婚するんだろ?俺達。
 ちゃんとしよう。そういうの。」

「………うん。大好きよ。澤口。」

 タッと小さく駆けて僅かな距離を詰めた朱音は俺へ抱きついた。

「帰ったら不安だなんて思えないくらい離さないからな。」

 頭にキスを落として頭をかき回す。

「もう!」と文句を言う朱音が隙をついて唇を軽く触れ合わせた。

「な……っ。」

 駆け出した朱音が固まる俺へ振り返ってベーッと舌を出している。

「早くしないと行っちゃうから!」

「おいっ!」

 俺は先を行く朱音を追い掛けた。


 後日、何故だか俺は健太郎に懐かれて「弟が取られた」って朱音に嘆かれることになり苦笑する羽目になった。

 番外編-Fin