お見合い相手はエリート同期


「健太郎はね、たぶん私を心配してあんなこと言ったと思うの。」

「まぁそうだろうね。」

 俺へというのもあるし、俺達へというのもあるだろう。
 2人の絆を試すというか。

「やっぱり実家には寄らずに帰らない?」

「なんだよ。どうした。」

「…………早く澤口にくっつきたい。」

「ッ、、。っとに無自覚。」

「え?何が?なんのこと?」

 私はモテませんって顔して俺よりよっぽど心配なのは自分だって分かってるのかよ。
 で、俺のことスゲー煽るようなことを平気で口にして……。

「さすがに朱音の地元で公開キスは自粛しておく。」

 俺は朱音の手を引いて歩き出す。

「澤口?怒ってる?」

 どうしてそうなるんだか。
 まぁ、半分は怒ってるのか。

 今すぐにでもめちゃくちゃにしたいって思わせておいて、おあずけ喰らわなきゃいけないからな。