「男がいてもクリスマスに男と過ごすのは初めだって類い稀な人生送ってるって聞いたけど?」

「どうせ可哀想な女ですよ。」

「奇遇だな。俺も初めてだわ。」

「え?」

「俺、そういうの気にしなそうな男に見えるだろ?」

 そういうの……クリスマスとかイベントとか嫌いそうなイメージではある。

「今は朱音と過ごせる口実になるなら歓迎だって思うくらいお前に溺れてるよ。」

 そっと唇を触れ合わせた澤口が「だから箍が外れて羽目を外し過ぎたのは許してくれよな」と呟いた。

「うん。私もごめんなさい。」

 甘い甘いクリスマスイブの夜を過ごす為にお互いに懺悔してから何度も口づけを交わした。