最大限に世の中が浮かれるように思えるクリスマスイブ。
 雪がちらついてホワイトクリスマスになりそうだった。

 寒さよりも嬉しさが勝る粉雪を見て目を細める。
 今年は寒々しい気持ちで1人寂しく過ごさずに済みそうだった。

 私の隣では微笑む澤口の姿が……。

「おめでとう〜。」

 華やかな会場で誰よりも輝いて幸せいっぱいな花嫁にみんなが祝福を送る。

「知世。すごく綺麗。」

「ふふっ。ありがとう。
 朱音もドレス新調したんだね。
 すごく似合ってて素敵だよ。
 澤口くんと並ぶとお似合いの恋人って感じ。」

「………もう。知世。」

「それはどうも。」

 澤口がしれっとお礼を言って、なんだか腹立たしい。

 化粧を変えたせいで今までのドレスが似合わないんじゃないのか?って嫌味半分なことを言われて澤口と一緒に見に行った。

 そのままお買い上げして現在に至るから、澤口こそ貢ぎ体質なんじゃない?と心配になる。

 澤口も知世の同期として、、というよりも私の婚約者として結婚式に参加している。
 呼ばなくていいっていうのに「一緒に来てよ!」って聞かない知世の言葉に甘える形になった。