「お気持ちは嬉しかったんですけど。
 すみません。」

 筒井さんが1人でいる時に自分の思いを伝えた。

「そっか。
 やっぱり、前会った彼と結婚するの?」

 私はかぶりを振る。

「じゃ……どうして?」

「好きな人が、出来てしまって。」

「……そう。」

「片思いなんですけど、想い続けていたいというか。」

 自分でも何を言ってるんだろうって思う。
 澤口とは結婚できない。
 けれど澤口のことは好きなまま……。

 気付いてしまった気持ちはまだ上手く消化できていない。

「じゃ俺は高橋さんの恋を応援するよ。」

 穏やかに微笑まれて微笑み返した。