失翼の天使―wing lost the angel―

から揚げもここを選んだだけあり、本当に美味しい。

プレーンでも美味しいけど、共に運ばれたネギソースにつけても良い。

味付けが薄口醤油だけというシンプルさが、そのままでもソースでも、ベストな味を生むのかも知れない。



「ちょっとー!いつまで“先生”なんですか!仕事モードなしで呑ませて下さいよー!」



「自分だって“先生”だろ?;;思ってたより酒弱し;;」



「何か言ったか、鷺沼」



「真似しなくて良いから!;;」



だが、吞み始めて1時間位だろうか。

酔っ払って来た。

姉や兄みたいにザルではないけど、弱くもない筈が、調子にのって一気に呑み過ぎた。

フラフラする頭。



「あー……美味しっ」



鷺沼先生セレクトの甘めな日本酒が、酔いに拍車をかける。



「もう止めよう、優海先生;;」



「だーかーらーっ!先生はなし!」



「じゃあどう呼べと;;」



「んー?ユウ以外!ユウは元彼が呼んでたんです!思い出すとイライラする!悲しくなる!」



「はい、優海ちゃん終わり!;;」



「優海!」



「ん?;;」



「優海ちゃんなんてこそばゆい!」



「我が儘だなー;;」



「何か言ったか、鷺沼!」



「物真似しなくていいから;;」



奪われたおちょこ。

鷺沼先生のおちょこを奪い、呑み続ける。