失翼の天使―wing lost the angel―




「師長、すみません。これ、忘れてました」



「あら?お洒落してどちらへ?」



「いつもと同じですよ!;;明日菜、よろしく!;;」



…マズったか;;

勤務が終了し、着替えも済んでた私は、忘れ物をナースステーションに届けに行くと、姉が師長モードでからかいの目を向けて来た。

私も師長として話し掛けたからだけど、バレてるだろうけど誤魔化し、いそいそとナースステーションを出るも、自覚はあった。

メイクはいつもの出退時よりちゃんとしたし、髪の毛も持ち歩き用のコテで毛先を軽く巻いてる。

でも、出掛けるなら当然だよね……?;;

ノースリーブの水色のストラップシャツに、紺色の七分袖のジャケット。

白いパンツにシミや汚れはなし。

雑誌で良く見るコーディネートで目立ってもない。

ただ、新品のグラディエーターサンダルは気合いの現れみたいである。

赤が好きで買ったけど、何このハイヒール!!

…何故、今日に限ってこれを履いて来たっ!?;;

と、そんな自問自答しても、OKしたのは私。

諦めて、待ち合わせの通用口に行くと、鷺沼先生は既に待って居た。

いつもはユニフォームのまま隣の自宅に帰ってる彼は、猛ダッシュで帰り、着替えて来てくれた。