失翼の天使―wing lost the angel―

エレベーターホールまで見送ると、ホッと一息。



「今日、一緒にから揚げでもどう?」



「はい?;;」



「今度なんて待てない。から揚げが食べたい!」



「んー……。ま、良いですよ」



突然の誘い。

しかもから揚げと言われて驚くも、断る理由がない為OK。

今夜吞まなきゃ、また来週までチャンスはないし。

1人で飲み歩くのもつまらない。



「美味しいお店を期待してますよ?」



「もちろん。あ、でもお洒落さは求めないで」



「美味しいお酒を吞むのに、お洒落なんて気にしませんよ。ラーメン屋さんでも、私は行きたいです」



「マジで?俺、また誘うかも知れないけど、そんな事を言って大丈夫?」



「はい。但し、不味かったら知りませんよ?」



「おぉ!任せてくれて構わない!」



…どうだかな;;

キラキラの目が、逆に怪しいですけど;;

スマホを弄りながら先に歩き出す鷺沼先生の背を疑うように見るも、全く気付く様子はない。

それはそれで彼らしく、思わず口元が緩む。

駆け寄り、スマホの画面を覗こうも「内緒」と見せず、子供が企むような顔してる。



「行けばわかるよ」



…そりゃそうでしょうよ;;

やっぱり中身は子供だ;;