失翼の天使―wing lost the angel―

救急車を頼み、私は救急隊員に指示を出してコウタ君を同乗させず、待たせてたタクシーで向かう。

その間に連絡先が掴めない旦那さんと母親のご両親に連絡を取って貰うように幼稚園に依頼。

鷺沼先生にアイコンタクトし、私はコウタ君とナースステーションの円テーブルでお絵描きや話をしながら待つ事に。



「お、上手じゃないか!」



「オジサンもお医者さん?」



「オジサンはコックさんだ!あ、これ頼まれたやつ」



「ありがとうございます、熊井-クマイ-さん」



処置に入ってから15分は経っただろうか。

ナースステーション1人の男性がやって来た。

職員専用食堂の管理者である熊井さん。

電話をして、メニューにはないけど、子供用に何か拵えて貰えないかと頼んだのだ。

きっと、コウタ君は昨夜から何も食べてないだろう。



「わぁ!ボクが好きなのがいっぱいある!」



「これ食べて、パパかお祖母ちゃんたちが来てくれるの待ってようね?」



「うん!」



オニギリサイズのオムライスと、から揚げにウインナーに卵焼き。

小さなパックの中は子供が好きなもので埋め尽くされていて、コウタ君は嬉しそうに目を輝かせた。

笑顔でフォークを手にするコウタ君の頭を撫でてると、鷺沼先生と副島君も戻って来て、チヤホヤされて更に嬉しそう。