失翼の天使―wing lost the angel―

しかし、他科の考えても仕方なく、頭を切り替える。



「先生、ちょっとよろしいですか?」



「はい……?」



巡回し、そのまま休憩に行こうと思ってると、受話器を手に困ったようにこちらを向いてる受付事務さん。

受話器を受け取り、「お電話代わりました」と電話に出る。



「もしもし?」



『……もしもしっ……』



…子供?



「もしもし、どうかした?」



『お母さんが、おかしいんです……。寝たまま起きないんです……』



「……君、何歳?」



『6才……』



「小学生かな?」



『幼稚園……』



「お名前と、住所言える?」



『コウタ……。お家は、〇〇マンションの5階』



「わかった。先生、今から行くから、玄関の前で待てるかな?」



『出来る!』



「うん。待っててね」



電話を切り、スマホでマンションを名前から検索。

遠ければ近くの消防に依頼をしたけれど、近いなら休憩時間を利用して行こう。

酔って起きないのか、薬の副作用か何か。

それともOD(オーバードラック)か。

原因がわからない今、多くの機材を持ち出しても仕方がない。

伝言をし、私は出動用のアウターを羽織って搬入口から外へと出た。