失翼の天使―wing lost the angel―

兄がカーテンで仕切られたナースステーションの方へ行ってしまい、起き上がって賴真のベッドへと近付いた。



「……あぁ……寝てた?」



「大丈夫?」



「優海っ!!」



「くっ、苦しい……!;;」



身体を揺らせばゆっくり目蓋を上げる賴真に声を掛ければ、むくりと起き上がり、抱き締められる。

胸に飛び込む形になり、体勢とキツければ、締め付けも強く息苦しい。

「悪い……」と解放され、膝に座れば優しく抱き締め直してくれる。



「ありがとう、優海」



「私こそ、ありがとうだよ……」



「俺の方が感謝だ」



「ふふっ……くすぐったい」



妊娠は驚いた。

しかし、感謝してるのは私。

傷付いた心を癒やしてくれて、家族になっただけでなく、増やしてくれた。

耳元で囁くように言う賴真に、くすぐったく耳を話しながら笑ってると、頬に手が宛がわれた。

カーテンの下の隙間から、誰も近付いて来てない事をそれとなく確認し、そのまま唇が重なった。



「愛してる、優海」



「私も愛してるよ」



すぐ近くに家族や仲間が居るのに、想いを伝え合い、抱き合う。

…賴真、ありがとう……。