失翼の天使―wing lost the angel―




「……ん……?」



「起きたか」



「お兄ちゃん、どうして?」



「妊娠だ。で、貧血が酷いようだったから、点滴しといた。まぁまだ寝とけ」



「えっ?ええ、私が妊娠??;;」



「俺が妊娠するか」



「そりゃそうだけど;;」


腕に違和感を感じ、目を覚ますてと観察ベッドの上に居た。

針の抜かれた空の点滴を手に持ち、腕を布団に納めてくれたんだろうとわかるも、さらっと妊娠を告げられ、起き上がろうとすると頭を押さえられ、ベッドに戻された。



「賴真は?」



「あ、隣」



「“隣”?隣って何」



腕時計を見て、まだ勤務時間中の3時を過ぎた頃。

騒がしさはなく、患者さんは他に居ないだろうに、賴真の姿がない。

兄の指す方向に目を向ければ、私と同じように横たわってる賴真。

でも、点滴もなければ掛け布団の上に適当に寝かされてる感じだ。

…酔ってもないのにどんな寝方;;



「あれは?;;」



「お前が倒れたら途端に取り乱して、妊娠とわかった瞬間、目を回してぶっ倒れた」



「は……?;;」



「すげぇなあいつ。貰い悪阻よりすげぇ」



…そこは感心するところなのか;;