失翼の天使―wing lost the angel―

疲れたと言えば疲れたけど、何か違う。

お腹は空いてないし、眠たいのかな。

ここ最近、開院準備と並行して引っ越しもあったりでドタバタとしてたし。

入籍以来は鷺沼家で同居してたけれど、ここへ通うには若干遠くて、裏に建ったばかりのマンションを兄夫婦と階違いで購入。

両親に手伝って貰いながら片付けたけど、疲れるものなのかな……。

これはまた老けたって事なのか。

いや、押し掛けて来た天真さんのせいかも知れない。

遥真さんみたいに、程よい距離感で家を買ったり借りれば良かったのに。

荷解きまでしてあげたのは、間違いだっただろうか。

4LDKだし、別に狭くはないから今は良いけど、甘やかしたが故かも。



「飯食いたいですね」



「飯って言ってもプロテインだろ?」



「ゆで卵もありますって」



駐車場に着き、車から降りる。



「ちょっ!;;」



「……すみません;;」



地に片足を着けた瞬間、気が抜けたのかふらついてしまった。

遥真さんが後ろから支えてくれて転倒は免れるも、気が抜けてしまったようだ。



「…………」



「優海ちゃん?」



…倒れる……?

目が回り、倒れそうな自覚はあった。



「優海ちゃん!!」



しかし、どうにも出来ず。

脇を支えてくれてた筈の遥真さんの腕をすり抜け、そのまま倒れてしまった。