「年の差あるとヤダよな。子供扱い」



「うちは別にそこまでの扱いは;;」



話を振られ、首を傾げながら否定。

私と兄と同じで、天真さんと翔真先生も10歳の年の差があるけど、喧嘩という喧嘩はないせいか、ヤダとは思わない。

子供扱いだとも思った事がない。

これだけ離れてると、何に対しても経験値に差があるのは当然だし。



「何でわかんないかな、俺の気持ち」



「優海に言ってもしょうがねぇだろ。な?」



「……近いって;;」



「気にしなくて良い」



拗ねる弟を前に、賴真は私の肩を抱いて来る。

顔を背けるも、髪に顔を埋めて来る。



「さっさと結婚して、島行った方が良いんじゃねぇ?」



「今行ったら1週間は働かずに抱き――…」



「賴真」



「……はーい」



勤務が開始して早々に下ネタをぶっ込もうとした賴真の口に人差し指を押し当てて黙らせる。

そんな兄の姿を見た天真さんが鼻で笑い、「そんじゃ」と帰ろうと席を立つ。

--プップーッ



「鷺沼総合病院、救命救急センター」



『〇〇消防です。4歳男児と27歳の母親が駅前で刺されました――…』



そのタイミングで鳴り出したホットライン。