「マジで頭おかしいって!俺、遥兄と違って真剣に医者としてやってるつもりだし」



「遥兄もやってるだろ;;」



「だいたいさ、次期院長とか言われて経営面ばっか考えて、自分が一番真面目にやってねぇよな。アレ馬鹿の一つ覚えだろ?慈善事業はすんなとしか言わねぇ。マジ黙れって話だろ!」



「お前も言われてたな」



「まだ言ってるんだね;;」



翔真先生は兄に辞められないように頑張ったり、経営面に神経質になってたり、次期院長として正式指名されたいんだろうか。

やる気なのは悪い事ではないだろうけど、喧嘩してはダメだろう。

賴真は継ぐ気がない事は承知済みな翔真先生。

残る可能性があり、末弟である天真さんが可愛さのあまり心配だったりするのだろうか。



「俺、翔兄が継ぐならここ辞める。遥兄なら残る。兄貴にここで宣言しとくから」



「いや、辞めんなよ;;」



「辞める。衣舞と辞めて開業する」



「……もう好きにしろ;;」



兄弟喧嘩をしようと、腹を割って離せてない今は、天真さんも辞めるの一点張り。

婚約者である同期で同じ小児科医の佐伯衣舞-サエキイブ-さんの名前も出して。

賴真は肘を着いた手で頭を抱え、説得はすぐ止めたようだ。