失翼の天使―wing lost the angel―

「……すみません。お話よろしいですか?」



「はい!何ですかぁ?」



宮本先生が治療に当たる女性に声を掛け、落ちた状況を詳しく聞き出す。



「私が酔ってるし、オマケにヒールで駆け降りようとしたら一歩目で踏み外して、マサトが腕を伸ばしてくれて掴んだけどそのまま転がった感じ?」



「……そうですか。ありがとうございます」



私は女性に頭を下げ、心苦しさを感じたまま賴真と姉を別室に呼んだ。



「恐らく男性の方はやり返すとか、何も出来ないのはわかってるけど、声だけで不快感を出してるし、これ以上は近付けたらダメだと思う」



2人を離してからの治療続行を提案し、彼の代わりに家族やお店の関係者に連絡をし、彼女と話し合いを持って貰った方が良い旨を伝える。

女性はホスト君の支払いをする筈だけど、彼女を“お客様だから”って深く考えずに助けようとして視力に障害が出てしまってる今、出されたくもないだろう。

2人の許可が出て、女性のギプスは技巧室で嵌めて貰う事にし、姉に一先ずお店へと連絡を頼んだ。



「優海先生!」



副島君に呼ばれ、カルテが開示されたノートパソコンを覗き込む。

画像のページがクリックされると、やはり脳にダメージを負って居た。