失翼の天使―wing lost the angel―

「んー……大丈夫そう。青アザになっておしまいだね」



「んな馬鹿なっ!;;超絶痛ぇんだぞっ!?;;」




「君が痛がりなだけだよ。あ、転んでで打ったとかじゃなくて、女性の肘鉄でも食らったんじゃない?」



「マジかよ!;;あの酔っ払いババアふざけやがって!質悪ぃな!;;」



「同世代の私が居る前で、“ババア”は失礼だよね?ん?お客様だよね?」



「ごめんなさい;;」



鼻血が出た形跡があり、顎を掴んで鼻を覗き込みながら言ってやれば、大人しくなるホスト君。



「鼻、打った?」



「ぜってー打たねぇ!ホストはアイドル業と同じで顔が命だからさ」



「そうなんだ?どっかお腹以外に痛い?」



「痛いってか、目がおかしいんだよなー。靄が掛かってるみてぇ。視界がぼやけて、実は先生の顔もはっきりと見えてねぇの」



「……OK。CT行って来て」



「うぃー」



大人しくなるも馴れ馴れしいホスト君を検査に向かせ、私は共に処置に入った副島君を見る。



「どう思う?」



「頭を打ってると思います……」



「腕の骨折以外は、特に異常はなさそうですね」



「本当ですか!?良かったぁ。入院なんかしてマサトに会えなくなっても困るし、仕事しないとマサトに貢げないし助かりました!」



ホスト君の症状を思うと、心が重いな……。