失翼の天使―wing lost the angel―

--プップーッ



「師長、取って下さい」



「鷺沼総合病院、救命救急センター」



『〇〇消防です。52歳男性、市民病院に搬送しましたが、トリプルAで診られないとの事でした。受け入れて貰えますか?』



「入れて。仙田さん、宮本先生に連絡。出なかったら鷺沼先生を呼んで」



「……運んで下さい」



「わかりました」



痛みに強いのか、隆寬さんみたいに自分の身体を後回しにしたのかわからない。

思ったより癒着が見られ、難航するもどちらにしても救命は3人体制が基本。

非番扱いの宮本先生に連絡させてる間、何とか腸を元の位置に戻す。



「そこ塞いだら、閉腹して……。で、煩そうだから観察ベッドで良いや。寝せといて。でも、1週間は入院だね」



病棟で入院にしては煩そうな兄。

ICUに入れるほどでもない為、とりあえず観察ベッドで様子見とし、武藤君に任せて次の患者さんの受け入れ準備。



「間に合ったか?」



「賴真!?」



「白車、来ました!」



宮本先生は連絡がつかなかったのか、寝ぼけ眼で、オマケにジャージ姿の賴真が現れた。

驚きながらも出迎えに行き、急いでエコー。