失翼の天使―wing lost the angel―




『先程、無事に終わりました。画像では見にくかったですけど、開けたところ転移は胃まででした。なので、思ったよりも恢復の見込みは十分にあると思いますよ』



「そうですか。ありがとうございました。お疲れ様でした」



1週間後、隆寬さんの手術終わりに主治医の先生がわざわざ連絡をくれた。

受話器を置き、ホッと一息。



「良かったわね」



「お陰で賴真の機嫌が直るよ」



「あんたの腰痛って、そう言う事?」



「まぁね」



隣に座る姉に話しながら腰を擦りながらフーッと息を吐く。

あの日、気付かなかったけど、何着か着替えを持って来たらしく、出勤日が同じだった4日間は泊まり続けてこの座間。

今日は昨日の夜勤からの日勤で、大人しく実家に帰ってる賴真。

服の上からキスマークのある胸元に触れる。

何だかんだで腰痛になるまで……なんて怒りもなく、寧ろ今日ちょっとしか会えなかった事を寂しく思う自分に呆れる。

大手術を終えた隆寬さんよりも賴真を考えてる私は、医者としても、人としても良いのか悩みどころだけど。

…こんなに好きなら、話さないとな……。



「何?何、見てるの?」



「……ん?これ?」



ユニフォームのポケットに偲ばせてた病院のパンフをチラ見してると、気付いた姉。

病院は病院でも、鷺沼総合病院の元となった診療所の。