ブラホックが外され、解放される胸。

今までは先に進む度に憂鬱になってたのに、優しく触れる温かな手に、欲に塗れていく。



「あっ……、」



「声、出して良いよ」



敏感になった蕾が口に含まれた瞬間、声が漏れた。

自分の声により、事を長引かせるのが嫌で頑なに閉ざして来た口。

なのに、賴真にはそれすらも許せてしまうのは何故か。

やはり、彼の前ではありのままに。

等身大の自分で居られてる。



「好き……っ、」



「ん?」



「愛して、る……っ」



半ば強制的ながら、耳元で催促して来た賴真に愛を伝える。

繋いだ手にギュッと力を込め、私の中へと賴真を受け入れる。

痛みか、窮屈なのかはわからない。

経験のない感覚に歯を食い縛り、腰を浮かせた。



「動いて良い?;;」



「大、丈夫……っ」



額に汗を滲ませ、苦しそうな表情を見せる賴真に気付き、手の側面で拭いながら頷く。

置いてきぼりな、一方的ではない行為。

苦手というわけではないけど、好きでもなかった情事。

寂しくも虚しくもないなんて初めて。



「……っ……」



溜まらず溢れた涙は賴真に吸い上げられる。



「幸せだな」



「うん……っ」



賴真も同じ気持ちなんて。

それが何よりも、幸せだよね……。