気胸はきっと自然治癒で治るのを待てば良い。

何よりも優先したいのは、骨盤骨折。

サイレンが聞こえると、特別措置で救急車は園内へと入って来た。

救急隊員に状況説明し、車内へと運び入れながら指示を出す。

ポロシャツを外し、モニター装着。

持ち出し用のエコーで出血状態を確認。



「固定だけこちらのドクターにして貰いますので、その後に運んで下さい。何とか持つと思います。搬送先のドクター出ました?」



「お願いします」



「――鷺沼総合病院、救命救急センターで救命医をしてます長崎です。患者さんの現状ですが――…」



賴真に骨盤のシーツラッピングを任せ、メインで処置をした私が救急隊員に代わって男の子の状態報告。



「病院で手術を受ければ、息子さんは大丈夫ですよ」



固定をしながら家族への説明を済ませてくれた賴真。

ポロシャツを着直しながら救急車を降りると、ドアが閉められて走り出す。



「良かった」



「次は優海の処置な」



「あ……;;」



ホッと一息吐いてると、持ち上げられた腕の怪我を思い出す。

人の処置では堂々と使うけど、私自身は市販の消毒液が好きではない。

低刺激性のアルコール……ないよなぁ、遊園地になんて;;