原田は非番の日になれば茂を連れて外を自慢しては歩いている。 先日、さよが屯所に顔を出した時に茂を連れてきては毎度同じことを話して帰ってゆくと隊士達に言われた。 親馬鹿の鏡だ。 昨晩も、茂が寝付いてから帰ってきた原田は、寝顔を見ながら 「立派な武士に育ててやる」 とこぼしていた。