何を言ってんだこいつは…



「藍川、言いたい事はわかったから。
とりあえずその手を止めろ。」


「…え!?なんで!?
なんれ、伊織じゃなくて藍川って呼ぶの!?
もう〜ぅ、なんれなのーーーっ!」


ダメだ。
こいつ、可愛すぎる…。




…これ以上
変な気が起こる前に、
藍川を退かそうとした時だった…。






「好きれす。社長。
…じっとしててくらさいね。」


「…!!」


全てのボタンを外し終わった藍川が
俺の胸に触れて、
ツーっと生暖かい指先を這わせてく。




ドクン、ドクン…



心臓の音が
やけにリアルに聞こえていた。




とうとう迫り来る藍川の顔に、
ギュッと目を瞑ると…



ゴンッ-----‼︎



…何故か、


頭突きされた………。



「…いった〜。」

「ぶっ…、ははっ!」


力尽きて倒れこんだ藍川に
笑いが止まらなくなる。



そのまま暫く、
俺の上に被さる藍川を抱きしめていると、



彼女が衝撃の事実を口にした…


「あ…、わかった…。
しゃちょーのその笑顔…!
…だーりんに似てるから…、好きなんら。」


















最後の最後に
そう耳元で呟いて、
彼女は再びイビキをかきはじめた。



俺はすぐに藍川を振り払うと
ベッドから身を起こす。


尚も眠り続ける藍川は…



「…ん〜……だ〜りん………。」


等と、ふざけた寝言をボヤいてやがる。