4時44分45秒目の世界には

ぞっとした少女は、そして今、まさしく背後に、なにかの気配を覚えた。

ぎ、ぎぃ。

ぎぃ、ぎ。

と、階段を、とてもとても、とてもとても、ゆっくり降りてくる音。

ぎぎぎぃ。

ぎ、ぎぃぎ。

まだ新しい家なのに、いやに、音はきしんだ。

なにかに踏み締められた床が、一瞬で腐り果てているのではないか。

そんな予想が、背後から、臭い空気と共に漂ってくる。

ハ、ァ。

ハァ、ア。

「……っ」

荒い吐息が、少女の背後でなまあたたかい。

逃げ出したかった。

いっそ振り返りたかった。

が、少女は、階段をなにかが降りてくる音を聞いた瞬間から、指一歩、動かせなくなっていた。

ぎぃ、ぎ。

ハァ。

臭い気配と足音が、

ぎぎ、ぃ。

ハ、ァア。

少女の、すぐ、後ろに。

なにかが、するりと、少女の首筋に触れた。

するり、するりと触れた。

一ヶ所、二ヶ所、三ヶ所……

やがて少女は、背後の何者かが、首に手をかけていると知った。