4時44分45秒目の世界には

少女は、そっと立ち上がった。パンツをあげ、パジャマのズボンをはいた。

外へ出るのが怖く、わざと時間をかけた。

そして、水を流す。

ズゴゴ――

その、

ゴゴゴ――

水の、

ォォォ――

「?」

中から、

ゥォォォ――

低い低い唸り声が、聞こえてきた。

ヲォォォ――

オォォゥ――

ウゥォウ――

まるでそれは、拷問に堪え忍ぶような、むせび泣くような、苦しい声。

最後の一流れが、便器の奥へ吸い込まれていく。

その最後の一瞬。

べちゃっ。

「!」

と、人間の手が、排水口の奥から飛び出し、しかし、水に飲み込まれていった。

この世にあってはならないものを、引きずり戻すように。

少女は息を飲んだ。

すっかり汗を掻いた背中が、トン、とドアに当たる。

ハッとした。

戻らなければ。

自分の部屋に。

けれど、怖い。ひとりでまた寝られるか。

怖い。

あの音が、声が、なにかが、部屋にまで来たら……。