それを聞いた時はそんな訳があるかなんて笑っていたけれど、どうやら話は本当だったみたいだ。

と言うか、声がめちゃくちゃ色っぽくないか?

そう思っていたら、社長が私の背中に両手を回した。

ギュッと強く抱きしめられたかと思ったら、
「どうしよう、今すぐに君が欲しくて仕方がない…」
と、呟くように言ってきた。

「えっ、ええっ?」

そんなことを言われるとは思ってもみなかった。

社長は髪から顔をあげて近づけてきたかと思ったら、
「――ッ、んっ…」

唇を重ねてきた。

今日だけで、もう何回目になるんだろう?

と言うか、本当に社長はキスが好きなんだな。

それで社長の気分がよくなるならば、午後の仕事がうまく行くならば別にいいけど。

…私もしたい時があるし。