王子様は甘いのがお好き

「芽実、僕は今は君そのものが愛しくて仕方がないよ」

社長は髪の毛から顔をあげると、私の左手を手に取った。

チュッ…と、薬指に唇が落とされる。

「今度の週末だけど、空いてるかな?」

そう聞いてきた社長に、
「えっ?」

私は思わず聞き返した。

「それって…」

「俗に言う“デート”ってヤツだろうね」

社長はフフッと笑った。

「理京さんとデートするの、初めてですよね?」

「ああ、そうだね。

会社の外で会うことはなかったからね」

言われてみれば、確かにそうだ…。

「ここに“僕の”だって言う証明が欲しいんだ」

社長は愛しそうに、薬指をなでた。

「えっ、証明って…!?」

それ以上は言わせないと言うように、社長は私と唇を重ねた。

近いうちに迎えるかも知れない甘い結末を感じながら、私は彼の唇を感じた。

☆★END☆★