翌日、いつもよりも早く出勤すると真っ先に社長室を訪ねた。

「おはよう、今日はいつもよりも早いね」

社長はすでに出勤しており、社長室を訪ねた私を迎えてくれた。

「実は、お話をしたいことがありまして…」

話を切り出した私に、
「えっ…まさか、君も会社を辞めるだなんて…」

社長は驚いたと言うように目を見開いた。

「違います」

私はすぐに否定した。

まあ、こんな朝早くから社長室にきて話があるなんて言われたら何事かと思うわよね…。

「この間、言えなかったことなんですけど…」

私は社長に田原の件のことを話した。

「どうしてもっと早く言ってくれなかったんだい？」

話を全部聞き終えた社長はそう言った。

「すみません…」

それに対して、私は謝ることしかできなかった。