「エルー、着替え終わった?行くよー」

そう言って声を掛けてくれたのは、
バースデーチケットの持っている
"華<ハナ>"


華は普段は違うホストを指名しているらしいけど、中洲No.1のバースデーがどういうものなのかを見たさに応募したら当たったと言っていた。


「できたよー!今いく!」

華はとっくに着替え終わって更衣室の前で待っていてくれた。


2人で繁華街を歩くのは初めてで、どこかぎこちない

「エルとさあ、仕事終わりに遊ぶの初めてだよね。その初めてがホストってのも変な感じだけどね。」

ぎこちない…ではなくて、初めてだからお互い探り探りって感じなのかも知れない。


「ごめんね。せっかく当たったのに便乗させてもらって。」


「いいの、いいの!本命は奏じゃなくてNo.にも入ってない幸太郎だから。」

"はは"って笑った華の横顔はちょっと切なそうで、あーなんかあるんだろうなって直感で思った。


「華、今日はありがとうね。」

「いいえ、楽しもうね」