「あ、あの本当にすみません、
篠崎先輩まで巻き込んでしまって……」

栗谷さんはとなりの教室に入ってからもずっと泣きそうだ。

「栗谷さん、そんなに落ち込むこと、ないよ?
最初だし、ミスはつきものだよ。」

俺はさっき陽菜が言った言葉をもう一度繰り返す。

この子は本当に責任感の強い子だ。

実力が身につけば、来年度の生徒会長を任せられる人材になるかもしれない。

「篠崎先輩も初めての仕事の時、ミスしたり、しました?」

「いや、俺は…………してない……」

ここは「したよ、でも先輩がこんなふうに声をかけてくれて。」とか言う場面だろ!

でも仕方ない。

俺は数字にすごく強い。

小さい時そろばんや、フラッシュ暗算とかが好きでやっていたからだと思うけど、正確性はピカイチだと思う。

「やっぱり……。
私、篠崎先輩みたいになりたいんです!!
篠崎先輩に憧れて、生徒会に入ろうって思ったんです。」