シエルとプリュイ-ある愛の話-

「ちゃんと読んでくれてると良いなー…」

6月5日。プリュイはシエルのお墓にいた。そこには濡れて乾いた手紙。

あれから3年間、プリュイはこうして毎日手紙を書いていた。


「ベッドの所においたらいいか、

こっちに置いたら良いか分からなかったからこっちにしたけど…どうなんだろう」


「ちゃんと読んでくれているんだと…思うよ?

読んだのは雨で流しているのかもしれないしね」


プリュイの隣にいた男が呟く。彼女の旦那だった。


「あなたも変わってるね…私もだけど」

「でもそう僕は信じたいよ」