「シエル?」


そんな声が聞こえたけれど苦しくて返事が出来ない。

視界にはプリュイがいるのに声が何も聞こえない。

そう言う状態が続いたと思ったら、目の前が真っ暗になった。

言いたくても言えなかった。だっての続きを。

“あの話が現実になるのであれば、列車は亡くなった人を乗せていると思う”と。

次の目を覚ましたのはまた夜だった。

夜と言っても、1日経った夜だろう。分からないけど。

だって妙な気分だったから。

いつもとは何かが違う。苦しいし、力も出ない。死んだのか?


「シエル?」


プリュイがいた。まだ死んでいない…と思う。でなければプリュイに会えない。