俺は思わず聞き返した。プリュイは我に返ったらしく焦っている。

何をそんなに焦っているのか俺には分からなかった。


「じゃなくてじゃなくて…あ、そうだ。シエル覚えてる?」

「何をだよ」


何を覚えているのかを言わないと俺にだって分からない。


「もー…忘れっぽいのは相変わらずだね。何年か前に太古の国の物語でさ、


宇宙を走る列車の物語を一緒に読んだの覚えてる?」

「あー…お前が目を輝かせて読んでいたやつか。あれがどうした?」

「この空走ってそうだよねー…乗ってみたいなー…宇宙見たいしね」


ああ、そういうことか…この空を見ていて

なんでそう思ったのか知らんが確かに走ってそうだ。