悪女と呼ばれた姫




「……まや」


低過ぎない心地いい声が私の名前を呼ぶ


「おはよう、彗」


車にダルそうにもたれ掛かり長い前髪の隙間から私を見た


こいつは相原組若頭、相原 彗(あいはら すい)だ


何故一緒にいるかはもうすこしでわかる


車に彗と共に乗り込むと静かに走り出した


「……まや」


「なに」


「……今日も綺麗」


「ありがとう」


彗は毎度毎度同じことを言う