「課長、飲みましょ?
課長、王子様なんやから、黙ってても
いくらでも女の人寄ってきますやん。
新しい恋、見つけましょ?
うちも、まだ見つけられてませんから、一緒に
探しましょ?」

姫が明るく言う。

そうだ。
こいつもちょっと前に失恋したばかりだった。

それなのに、俺だけが不幸みたいな顔をして慰めてもらってるなんて、情けない。

だけど…

「俺は、もう恋はしないよ、きっと。」

「え? なんでです?」

「俺、元々、オタクなんだよ。
3次元の女に全然興味がなかったんだ。
でも、結だけは違った。
だから、結以外の女は、俺にとって女じゃ
ないっていうか、興味がないんだ。」

だから、俺は、一生、結だけを思って生きていく