「少し、結と話をさせてください。」

「そうね。
私は廊下に出てるから、2人で話し合うと
いいわ。」

そう言って、お義姉さんは廊下に出て行った。


「結…
ほんとに俺たち、もうダメなのか?」

「海翔、ごめんなさい。」

結は涙を零しながら言った。

「話して。いつから?」

「4月に海翔がいなくなって、寂しくて、大阪に
会いに行ったの。
でも、海翔は仕事で帰って来なくて。
その時、私は、海翔の仕事がそんなに忙しい
って知らなかったから、海翔が浮気してるん
じゃないかって疑って、泣きながら東京に
帰ったの。
その時、慰めて、そばにいてくれて。
だけどその時は、ただの友達だって思ってた
から、気晴らしに付き合ってくれてるん
だって思ってて。
それが気付いたら、どんどん大きな存在に
なってて。
好きって気付いたのは、妊娠が分かった時
だった。
だから、一生懸命、忘れようと思ったけど、
できなくて、海翔にも言えなくて…

海翔、本当にごめんなさい。」