残念な王子とお節介な姫

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翌日。

「課長、どうしたんです?」

仕事中、姫が話し掛けてきた。

「何が?」

「昨日、彼女さんが来たって、ご機嫌で頭に
花咲かせて帰ったのに、今日は、全然幸せ
オーラ出てへんやないですか。」

は?

「別に、花なんか咲かせてないし。」

「気付いてへんのですか?
昨日は、満開のお花畑やったのに。」

「……… 」

「彼女さんとなんかありました?」

「………子供ができた。」

「えっ?
………あぁ!!
それは、おめでとうございます。
けど、課長は、それが嬉しくないから、
お花畑やなくなったんですか?」

「いや、嬉しいよ? 驚いたけど。
どっちかって言うと、結があんまり嬉しそう
じゃなかったから… 」

「不安なんと、ちゃいます?
うちでも、もし、今、妊娠したら、手放しでは
喜べませんもん。」

「そういうものかな?
そうだよな。遠距離だし。」

「そうですよ。
課長、意外と心配性ですね。」

そういうものなのか…
これからは、ちゃんと結を支えてやらなきゃな。