『悪い。知らなかったか。』

「いや、うすうす気づいてたから大丈夫。
でも、俺との破談は噂になっても仕方ない
けど、小川と付き合ってる事はなんで
バレてるんだ?」

『バカな小川が、伊藤の復帰挨拶の直後、
みんなの視線が集まってる中でプロポーズ
しやがった。』

「は!?」

『あいつ、伊藤に産休前に振られてから、
全く連絡取らないまま伊藤の復帰を迎えて、
舞い上がったんだろ。』

「結と付き合ってたんじゃないのか?」

『違うらしいぞ。
まあ、伊藤が二股かけられるとも思えないし、
お前を傷つけてすぐ次に行けるとも思えない
から、お互い思い合ってるのに我慢
してたんじゃないか?』

「俺はもう大丈夫だって、伝えてやれば
よかったな。」

『気にするなよ。
それでも収まるところに収まったんだから、
これでいいんだよ。
小川は変に強いから、この先、何があっても
伊藤を守ってくさ。』