布団をめくって、「どうぞ。」と姫を横になるように促すと、反対側に回って俺も横になった。

隣に姫の顔がある。

なんだか照れる…

姫も恥ずかしいのか、視線を合わせようとしない。

俺は思い切って、声を掛ける。

「姫、手だけ繋いでいい?」

姫は黙って頷いて、俺の方に手を伸ばしてきた。

俺は姫の手を握る。

「姫、聞いていい?」

「何です?」

「姫の趣味って、何?」

「趣味ですか?」

「姫、ほんとはやりたい事があるのに、俺に
合わせてくれてたんじゃないかと思って…」

俺がそう言うと、姫は初めて俺を見た。

「そんな事ありません。
うちは、好きでここに来てたんです。
別に無理とかしてません。」

「じゃあ、俺ん家に来るようになる前は、
休みの日は何してた?」

「何でしょう?
掃除とか洗濯とか、
大した事はしてませんよ。」

「趣味とかないの?」

「んー、テレビ?
バラエティとかお笑い番組、
見てるくらいですね。」

姫は、笑った。