気付けば、いつもそばにいるのが当たり前で、いつか姫が俺のそばからいなくなるかもしれないなんて、考えてもみなかった。

姫はいつも俺の部屋に来てたけど、俺がオタクだから、外に出たくないと思って、気を遣ってくれてたんだろうか。

姫も結みたいに、本当は行きたいとこ、したい事があるんだろうか。

そういえば、ずっと一緒にいるのに、姫の趣味とか聞いた事なかったな。

よし!
風呂から上がったら、ちゃんと聞いてみよう!


俺が風呂から上がると、姫は髪をとかしていた。

黒髪ストレートのさらさらロングヘア。

量が少ないせいか、黒髪なのに重くない。

「姫。お待たせ。」

俺が声を掛けると、姫は振り返って、にっこりと笑った。

「課長もドライヤー、どうぞ。」

姫がドライヤーを渡してくれる。

俺は姫の隣でドライヤーをかけながら、姫を眺める。

なんだ?
先週までなんて事なかったのに、ドキドキが止まらない。

姫が湯上がりの部屋着だから?

好きだって、気付いたから?

俺、姫の隣で寝られるのか?

でも…

離れたくはないし…