残念な王子とお節介な姫

今日は、たくさん歩いたから、晩ごはんはスーパーのお惣菜で済ませた。

今まで、当たり前のように2人で食べてた食事も、意識が変わるとなんだか全部が違って見える。

今夜は、姫、帰るのかな?
もう少し、一緒にいたいな。
泊まっていくって言ってくれないかな?


食事を終えて、21時近くになると、姫が、
「じゃあ、うち、そろそろ…」
と言い始めた。

「姫、帰るの?」

俺が聞くと、

「昨日、泊まったし、2日も続けては、ご迷惑や
思うから。」

と姫が俯いて答える。

「全然、迷惑なんかじゃないよ。
姫、泊まってけばいいじゃん。」

俺がそう言うと、

「ほんまにええんですか?」

と上目遣いで聞いてきた。

かわいい。

上目遣いって、姫を5割増しでかわいく見せてる気がする。

「いいに決まってるだろ。
そのために部屋着を買ったんだから。」

俺がそう言うと、姫は、恥ずかしそうに、

「そしたら、お言葉に甘えて…」

と言った。