だけど、そんな事姫には言えず、俺たちは部屋着の有名ブランドの店に向かった。

外から見てもかわいらしいその店は、男の俺が入るのは、ためらわれる雰囲気を持っていた。

下着が並んでいるのも目に入ったが、極力視界に入れないように背を向けて立つ。

「課長、どんなのがいいですか?」

姫がにこにこしながら、聞いてくる。

「姫なら何でも似合うと思うけど、こういう
もふもふしたの、あったかそうでかわいい
んじゃないかな。」

「ですよね!
うちも、サテンよりこっちが好きです。」

姫が嬉しそうにもふもふの部屋着に触れる。

「色はどうしましょう?
こういうはっきりした色と、優しい感じの
色なら、どっちが好きですか?」

姫が色違いの2枚を並べて見せる。

「こっちかな?」

俺は淡いピンクのを指差す。

「じゃあ、パンツは?
長いの、短いの、どっちが好きですか?」

うっ!
短いのがかわいいけど、短いのとは言いづらい。

何より、寒そうだし。

困った俺は、

「両方買えばいいんじゃないか?
気分とか気温とかで使い分ければ。」

と言った。

姫は、嬉しそうに、

「はい!」

と笑った。

姫がかわいいから、なんだか俺まで幸せな気分になった。