残念な王子とお節介な姫

「ふぅぅ…
しょうがねぇな。
で? 何作ればいいの?」

俺は、春山に仕様の説明をして、プログラムを作らせた。

が、姫なら半日かかる仕事も、春山は1時間で終わってしまった。

ま、そうだよな。

俺は、吉田に声を掛けて、少し早めに店に向かう事にした。

「姫も、今日はおしまい。
もう、帰れ。」

「ええ!?
うち、まだ平気ですよ?
適当なとこで帰りますから、課長は、
気にせんと行ってください。」

「ダメ。
また明日やればいいから。
姫が仕事してると思うと、俺が酒を
飲みづらい。」

「ええ!?
そんなん、気にせんでもええのに。」

姫はブツブツ言いながらも、片付けを始めた。

「姫ちゃん?
よかったら、一緒に飲みに行く?」

春山が声を掛ける。