こっそりして、うちだけの秘密にして終わるはずやったのに、そのまま課長に抱きしめられてもた。
すごい力でぎゅうぎゅう抱きしめられて、逃げるに逃げられへん。
うちが困ってたら、課長が寝言をゆうた。
「結、愛してる。
あの後も、ずっと、結だけを想ってた。
結だけを愛してる。」
知ってたけど、分かってたけど、聞きたくはなかった。
課長は、うちを元カノさんや思って抱きしめてるんや。
うちは、悲しゅうなって、思わず泣いてしもた。
そしたら、課長が目、覚まして、焦って言い訳を始めた。
なんべんも「ごめん」ゆうた後に、
「あんな事しておいて、説得力ないけど、俺、
姫にどうこうしようとか思ってないから。
絶対、襲ったりしないから、安心して。
へんな下心とかもないから。」
て、ゆうた。



