それから、俺たちは一緒に片付けをした。

俺はいつも片付けすら結に任せっきりだったな。

もっと手伝ってやればよかった。


姫が洗った食器を俺がすすぐ。

他愛もない話をしながら、並んで片付けるのも、楽しい。

姫とやっても楽しいんだから、結とだったら、もっと楽しかっただろうに。

片付け終えると、既に5時近かった。

「じゃあ、今日は帰るよ。
姫、いろいろありがとう。
姫のおかげで救われたよ。」

俺がそう言うと、

「うちは、別に何もしてませんよ。」

と姫ははにかんだように目を伏せた。

くすっ
もしかして、照れてる?

「じゃあ、明日は、会社出る前に連絡
入れろよ。
駅まで迎えに行くから。」

「え!?
大丈夫ですよ。1人で行けますから。」

姫はブンブンと手を横に振る。

「買い物も行かなきゃ、いけないだろ?
そのまま、一緒にスーパーに寄ればいい。
姫は素直に帰る時に連絡する事!
分かった?」

俺がそう言うと、姫はコクリと頷いた。

それを見て、俺は姫の頭を撫でた。

「じゃ、また明日。」

そう言って、俺は姫の部屋を後にした。